いくら上様であろうと、そのくらいしてもいいのでは。
「ご厚意のみ、うけたまります」
キヨは手を叩き、御小姓を呼んで紅茶を入れさせた。
「大奥では、細々なことは御小姓の役目です」
紅茶にミルクを足してミルクティーをつくらせる。
「細々としたことを主人にされては、その者の面目がたちません」
ふう。……窮屈な場所でもあるのかな、やっぱり。
スコーンを5つたいらげて、あたしはおなかいっぱいになった。
「大奥で過ごすとわかってくるものですよ」
キヨが立ち上がり、手を差し出してくる。
ギャラリーね。
行きましょうか。
「あと2時間くらいすれば、また食事の時間ですから」
まだ食べるの!?
「あや姫、これは『軽い食事』と申し上げましたが」


