あたしは、広間の上座に据えられたマホガニーの椅子に座る。
何を話せば、良いの?
「上様」
私の右側に控えたキヨが、あたしにささやく。
「わたくしに御心を開いて下さりませんか」
な、なん、何ですと?
突然の告白ですか?
「信頼して、お心を開いて下されば、わたくしは『言うべき言葉』をダイレクトに伝えることができます」
あたしは頭が悪いからか、言ってる意味が分からない。
おどおどしていたら、男たちの無言の圧力に負けてしまいそう……。
見かねたキヨが、あたしの手を取り、立ち上がらせた。
頭の中に、話すべき言葉が流れ込んでくる。
そうか。
キヨが能力を使って、流してくれてるのね。
息を吸いこみ、あたしは語り始める。
「本日は、わたくしが上様であります。皆の者、よろしく頼みます。


