「ね、合コン来てくれない?」

「え…どういうこと? 菜乃ちゃん…」

今あたしに必死に頼んでいるのは山際菜乃ちゃん。


菜乃ちゃんは新しく大学の講座で知り合ってできた友達だ。


美由紀とは一緒に住んでいるけど、学部が違うからあまり会えない。


「だから、人数が足りなくなっちゃったのよ!」

「だけどあたしは」

「お願い!」

「でも」

「今度何かおごるから!」

「あたしは」

「本当にお願い!」

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…しゃべらせてくれない…。


あたしは今日夕飯担当なのに…。


美由紀がバイトで遅くなるから。


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「いいの?」

「え?」

「いいのね? ありがとう感謝するわ!」

「え、あたしは何も」

「行こう行こう!」


菜乃ちゃんはあたしの腕をがっしりとつかんで、引きずっていった。


「あたしは行きたくないの~!」

あたしの叫びも虚しく散った。