「そんなしょぼくれた顔してる先輩なら、
私が先輩を抜かして大賞をとるのは決定ですね」

「そ、そんなしょぼくれた顔なんてしてないもん!」


あたしはいーっと歯を見せながら笑った。

そんなあたしに薫ちゃんはふきだし、大笑いした。

「それでこそ私の北条先輩ですよ」

そう言った薫ちゃんの声は心なしか、震えていた。


.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

「卒業、おめでとうございます」

薫ちゃんの目に涙が浮かぶ。


「ありがとう。また、遊びに来るからね」


「もちろんです」


薫ちゃんたち三人はあたしに抱きついて離れなかった。

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

「北条先輩っ!」

聞いたことのある声。