あたしの高校は毎年恒例、後輩たちが花道を作って、
思い思い、部活の大好きな先輩にでも、ひそかに好きだった先輩にも、
誰にでも花を渡せることになっている。

これは学校が決めたことじゃなくて、自然とそうなっていた。


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あたしと美由紀も、花道をゆったりと歩いていた。

美由紀は後輩にも慕われているのか、両手にはたくさん花を持っている。


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あたしはないのかなぁ…。


運悪く後輩にもらえなかった生徒は、
先生に花をもらうという、悲しいことになるのだった。


そう思い、とぼとぼと歩いていると、
目の前にずいっと一輪の花が差し出された。


顔をあげると、薫ちゃんだった。

そして、後ろにいた二人も花を差し出してきた。


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「みんな…?」


あたしは不思議がりながら花を受け取る。