「っ! …美由紀」

一樹かと思った…。

「何見てたの?」


「えと…外。傘忘れたから、どうしようかなぁ、って思って」

「そうなんだ? 一緒に帰ろうよ!」

「え、でも涼介」

「いいのいいの! 今日は一緒に帰ろ!」

「あ…うん。ありがとう、美由紀」

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ごめんね、嘘ついて。


本当は、涼介を見ていたの…。

でも、そんなこと言うと美由紀が傷つくから…。


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あたしのこの思いは、あたしのここだけに、とどめておくね…。