音楽室を後にする。

一樹はもう少しここにいるよって言って、
あたし一人が帰ることになった。


ふと窓の外を見ると、涼介がいた。


雨が降ってるのに…走ってる。

一人で、一生懸命…。

びしょぬれになって…。

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「!」


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目がぴったりと合った。


目をそらそうとするけど、出来なかった。

愛しくて、ずっと忘れられない姿を目に焼き付けるように見てしまう。


魔法にかかったかのように、目をそらせない。


涼介は、立ち止まって何か言おうと口を開けた。

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「美雨?」