放課後。
校門の前で二人と待ち合わせをしていた。
あたしは日南君と話せるのが待ちきれなくて、
待ち合わせの時間より十五分も前に来てしまった。
自然に顔が笑顔になって、自分でもバカな人だな、と思った。
.
.
.
.
それにしても遅いな、井上君と日南君。
あたしはすっかり赤く冷えた手をさすり、息を吹きかけていると、
聞きなれた声が聞こえた。
.
「北条さん!」
井上君だ。
後ろを振り返ると、日南君がいた。
こんなに近くで見たのは初めてだ。幸せ。
「ごめん、待った?」
「ううん、今来たとこ」
小さな嘘をつく。
井上君は騙せたのに、日南君はそうはいかなかった。
.
.
「嘘だろ。ほら、手がこんなに赤くなってる」
日南君はあたしの手を大きな手で包み込んだ。
「気付かなかった…。さすが涼介。待たせてごめんね?」
「大丈夫。ありがと」
あたしは包み込まれている手も、顔も、熱くなった。
きっとどちらもりんごみたいに赤いだろう。
.
.
「もう温まったかな?」
手が離れる。だけどまだ、熱い。
「うん。温まったよ」
「なんだかオレ取り残されてる…」
あ! 忘れてた! ごめん、井上君。
「帰るぞ」
そう言って日南君は鞄を背中にひっかけて、歩き出した。
…? 日南君、機嫌悪い…? 気のせいかな・・・
校門の前で二人と待ち合わせをしていた。
あたしは日南君と話せるのが待ちきれなくて、
待ち合わせの時間より十五分も前に来てしまった。
自然に顔が笑顔になって、自分でもバカな人だな、と思った。
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それにしても遅いな、井上君と日南君。
あたしはすっかり赤く冷えた手をさすり、息を吹きかけていると、
聞きなれた声が聞こえた。
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「北条さん!」
井上君だ。
後ろを振り返ると、日南君がいた。
こんなに近くで見たのは初めてだ。幸せ。
「ごめん、待った?」
「ううん、今来たとこ」
小さな嘘をつく。
井上君は騙せたのに、日南君はそうはいかなかった。
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「嘘だろ。ほら、手がこんなに赤くなってる」
日南君はあたしの手を大きな手で包み込んだ。
「気付かなかった…。さすが涼介。待たせてごめんね?」
「大丈夫。ありがと」
あたしは包み込まれている手も、顔も、熱くなった。
きっとどちらもりんごみたいに赤いだろう。
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「もう温まったかな?」
手が離れる。だけどまだ、熱い。
「うん。温まったよ」
「なんだかオレ取り残されてる…」
あ! 忘れてた! ごめん、井上君。
「帰るぞ」
そう言って日南君は鞄を背中にひっかけて、歩き出した。
…? 日南君、機嫌悪い…? 気のせいかな・・・
