目を開けると同時に、ふわりと温かな風が吹き抜けた。


それは夏特有の湿った生ぬるい風じゃなくて、
気持ちのいい、優しい風だった。


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はらりと桜の葉が落ちてきた。


あたしはそれを手のひらに包み込む。


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あたしは少し微笑んで、歩き出す。

優しい風に髪がもてあそばれた。