「僕は…もう、永くないんだ」


「永くない…って、どういうこと?」


まだ小さかったあたしは、その言葉の意味が分からなかったし、
祐樹君が言った病気の名前も理解できなかった。


だけど、
祐樹君がどこかあたしの手の届かない遠いところへ行ってしまうんだ、
ってことは分かった。


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「だから、僕は明日からここに来られない」

「やだ! 行かないで!」

「ごめんね、美雨ちゃん」

あたしは狂ったように泣きじゃくって、祐樹君にしがみついた。

「やだ! 祐樹君!」

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「美雨ちゃん…これあげる」

「え…?」


祐樹君があたしに渡したのは、一枚の絵だった。