桜の樹は、相変わらず堂々と立っていた。


何年生きているんだろう…?


十年?

二十年?

五十年?


それ以上…?


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樹に、やさしく手を触れる。


どくどくと波打ってるような気がした。


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生きてる…。


あたしは樹に頬を寄せ、目を閉じた。


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落ち着く。

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昔から、そうだった。