「でもさ、運命だよ」

「…何が?」

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「私も涼介と付き合うことになったもん」

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「…。…へ?」

今、涼介、って言ったよね?

「一年の終わりからずっと好きだったーって。びっくりしちゃったよ」


「そ、そうなんだ…」


美由紀の言葉には、悪気がないのは分かってる。

だけど、胸にぐさぐさ突き刺さる。


だって、一年の終わりからずっと、
ってことはあたしと付き合ってたときも、ってことだから。


一樹と美由紀が付き合ったから、悔しくてあたしと付き合ったの…?

あたしは、そんな遊びに本気になってたの…?


それならどうしてキスしたの…?


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困惑、不安、疑い、嫉妬。

あたしの中をぐるぐると黒い感情が渦巻く。

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嫌だ…信じたくないよ…。

遊びで付き合わされてただなんて。

それに本気になってただなんて。


「美雨、どしたの?」

「ごめん、今日、早退する。朝からしんどくて」

「そうなの? 大丈夫?」

「うん、バイバイ」

「バイバイ、お大事に。先生には言っておくよ」

「ありがとう」

それと、ごめんね、嘘ついて。


あたしは一樹には何も言わずに教室を出た。