「はぁ…」

「どうしたの、今日ため息つきっぱなしだよ?」


目の前でおいしそうに購買で売っていたパンを食べているのは美由紀。

ダイエット中だとか言ってたのに、もう二つも食べ終わってる。


「なーんか、自分が分からないんだよねぇ…」


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一樹のことをどう思ってるか。

好き? って一樹に聞かれたけど、さあね、って言ってはぐらかした。

今は好きかどうかが全然分からない。


考えようとすると、胸がつまったように苦しくなって、考えられなくなる。


だけど、涼介といるときには触れた場所から熱く、
魔法がかかったみたいにもっと触れたくなったんだけど、
一樹といても、そうはならなかった。


冷えたあたしの心と体は一向に温まらなかった。

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「一樹?」

「まぁ…」

美由紀は、あたしと一樹が付き合ってるのを知っていた。

きっと美由紀の素晴らしく広い情報網のおかげだろう。


でも、美由紀は自然にあたしたちを祝ってくれた。