高校三年生の夏。

また、あの季節がめぐってくる。


あたしは半年前と変わらず、校門の前で待っていた。

でも、待っている人は違う。


「美雨!」

「…一樹」

あの時、現れたのは一樹だった。

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『絶対…心から誓うから』


『でもあたしは』

『分かってる。ずっと見てきたから。

だけど、それでもいい。付き合って欲しい』


『…分かった』

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正直、一樹のことはまだ心から愛せていない。


だけど、涼介を忘れたい一心であたしは一樹と付き合うことにした。

好きじゃないのに付き合うなんて、悪い事かもしれない。


でも、今から好きになってくれればいい。

そう一樹は言ってくれた。


一歩一歩。

着実に。

一樹のことを好きになっていこう。