待っていたチャイムが鳴り響く。

みんな嬉しそうだ。

寝ていた人もむくりと起きはじめる。


眠たい授業が終わる。だけど、宿題を山ほど出された。

家帰ったらすぐにやらなきゃ。

これでもあたしは真面目なほうだ。

自分で言うのもなんだけど。


美由紀があたしの机に駆け寄ってきた。

「あ、美雨。今日用事あるから先に帰るね!」

用事…?

「うん、分かった! バイバイ!」

「バイバイ!」

美由紀は鞄を取って走って帰っていった。

珍しいなぁ…。

美由紀は部活命なのに。

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「ヒマ…だなぁ」


窓の外に目をやる。

雪はもう溶けてなくなって、桜が芽吹き始めている。


春の独特の寂しさを感じた。


深呼吸のように深いため息をついたあと、
あたしも鞄を取って、教室を出た。

「桜…見に行こ」