三年生の新クラスは、美由紀と一緒だった。


クラス発表を見た瞬間、あたしたちは悲鳴をあげて抱き合った。

井上君も一緒。

楽しいクラスだ、きっと。

高校生活最後だから、とっても嬉しい。

「じゃ、次移動教室だし、もう出ようか」

「うん」

次は…物理か。ノートノート…。

「美雨! 行くよ!」

「あっ、待って待って!」

走って美由紀のところへ行く。

美由紀と楽しく話しながら、理科室に向かう。


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理科室に行くには、他のクラスの前を通り過ぎなくちゃいけない。


でもあたしは他のクラスに目を向けない。

美由紀のほうだけを見て、通り過ぎる。

何も気にすることなんてないように。


あたしは、もう大丈夫。平気になった。

そう自分に言い聞かせながら。