「あの絵、結果出た?」

窓際でうとうとしていると、井上君に話しかけられた。

「まだだよ。締め切りすらまだなのに」

「だって楽しみなんだもん」

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子供みたい。

「ありがとう」


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井上君とは絵を見に行ってから、普通に話せるくらいまでになっていた。

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「また見たいなあ…」

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「入賞したらね」

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「入賞するよ」


そんな断定されてもなー…。

嬉しいんだけど、返答に困る。


困って窓の外に目をやると、水っぽい雪が降っていた。


家々の屋根の上には、かき氷みたいな雪がたくさん積もっている。


おかしいくらい季節はずれ。