「やっぱりすごいなぁ、美雨の絵…」

「ぅえ…」


…あの、なま、名前呼び…ッ!


「…美雨の絵」

悪魔の微笑み。

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「…あ、あり、ありがとッ!」

落ち着けあたし。動揺しすぎ。

…やばい。顔が、熱い。

絶対赤くなってる。


あたしは顔を押さえて心を落ち着けようとした。


「じゃ、部活戻るから」

手をひらひらとふって井上君とグラウンドの方へ戻っていく。


「あ、う、うん」

日南君の方を見ずにあたしはすっかりさびた窓を必死に閉めた。


「休憩終わりーッ! ほら立て立て! 練習再開するぞー」

他の部員のえぇー、とう声を背中で感じながら、
あたしはへにゃへにゃと足の力が抜けて、へたりこんだ。

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「…心臓が、持たないよ…」


あたしは膝の上におでこを乗せ、長く、だけど幸せなため息をついた。