駅まで来ちゃった。

楽しみにしてたのになぁ、夏祭り。


上を向いて歩いたら、涙がこぼれない、って歌があるのに、
涙はとめどなく零れ落ちる。

ぽろぽろぽろぽろとまらない。

嗚咽もまじる。息が上手くできない。


夏祭りはまだ続いているから、人は少ない。

浴衣の人なんか一人もいない。しかも涙で顔をぬらしている。


あたしの最寄り駅までの切符を買おうとしたけど、
涙でにじんで上手くボタンが押せない。


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「寂しいなぁ」

独り言は独り言。

ぼやけたぬるい外気に溶けていった。

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…はずだった。