「西野」

「あ、日南先輩」

日南君!

「西野たち知り合い?」

「ええ、まぁ」

「なんか怪しいよね~っ!」

日南君の後ろからひょっこり出てきたのは薫ちゃん。…と二人。

「付き合ってるんじゃない?」

「付き合ってなんか」

「付き合ってる、って言ったらどうします、先輩?」

西野君があたしの肩に手を置いた。

あたしは即座に払いのける。

日南君の前でそんなことしないで!

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「…どうでもいい」

機嫌が悪い時の、怖いくらいに低い声。

「!」


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…日南君は、あたしと西野君が付き合ってもいい、ってことだよね?

そう思ったら、泣けてきた。目に涙がたまる。

「! 北条…」


日南君たちに背を向けて走る。

涙を見られたくなかったから。

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息があがって、肺が破けそうになる。