日南君の背中に手を置いて、話しかけている。積極的だ。

ここからは残念ながら、
何を話しているのか、祭りの喧騒で何も聞こえなかった。

それにどんどん違う方向へ行ってしまっていた。

「北条さん、ちょっと、美由紀借りていい?」

井上君?

「あ、うん、いいよ」


「…ごめんな」


そして美由紀も井上君と違う方向へ行ってしまった。


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一人ぼっちだ…。


周りを見渡すと、カップルや家族連ればかり。

一人なのはあたしだけかぁ。


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きびすを返してとぼとぼ帰ろうとしたとき、

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「先輩、帰るんですか」

「…西野君」

「オレと一緒に回りませんか」

「え? えっと…」

「嫌ならいいんですけど」

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「いいよ。一緒に回ろう。あたしもちょうど一人だったの」