「夏祭り行かない?」

後輩を誘ってみる。先輩方はみんな予定があるらしかった。

先輩といっても二人、後輩といっても三人だけど。

「私たちですか…?」

「行こうよ! 北条先輩、誰来るとか決まってますか?」

「サッカー部の予定空いてる人は全員来るって言ってたよ」

「サッカー部!」

後輩のうちの一人の子が目を輝かせた。

井上君みたいでちょっと笑ってしまう。


「好きな人でもいるの?」

「…」

「そうなんですよ、この子、日南先輩が好きなんです!」

! 日南君!

「言っちゃダメだよぉ! …先輩、言わないでくださいね?

それと、応援していただけますか?」

「…」


「先輩?」

「あ、ごめん。いいよ。応援するね」

「ありがとうございます!」

上機嫌で後輩三人は自分の机に戻っていった。


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どうしよう。

応援する、って言っちゃったよ。


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あたしも日南君のこと好きなのに。