「かっ、彼女じゃないよ…」
「そうなんですか…。
この前、ここの窓のところで話しているのを見たので…」
そんな残念そうに言われても…。
「日南君、すごいよね」
違う話題に変える。
「はい!
日南先輩が一年生の時、サッカー部に先輩はいなかったんですよね?
それなのに、あんなにプレーが上手いだなんて、素晴らしいと思います!
教え方も上手いし優しいし、プレーも本当上手だし…。って…すみません。
話しすぎました。もう朝練に行きますね」
「いいのよ。またいつでも話に来てね。行ってらっしゃい」
西野君は礼儀正しくあたしにお辞儀して出て行った。
かちゃりと音を立てて、美術室はまた校舎から切り離された。
.
.
.
それにしても…西野君、本当に日南君のこと好きなんだな、って思った。
目がきらきら輝いていて、聞いてるこっちも楽しかった。
日南君もすごいな…。
先輩がいないけど、廃部寸前だったサッカー部を立ち直らせて
後輩にあんなに好かれて…。試合に出るまでになるなんて。
.
でも、あたしは知ってるんだよ、日南君が頑張っていたことを。
美術室からいつも見てた。
放課後はみんなが帰るまでは絶対に帰らなくて、
ボールも毎日きちんと磨いて帰っていた。
雨じゃなかったら、放課後練習がなくても走っていた。
汗を流して、息を切らせて、毎日毎日。
それだけ日南君を想っていた。
.
.
.
「この気持ち、日南君に伝わればいいのに」
.
.
.
.
.
.
後にこの言葉は現実となる。
「そうなんですか…。
この前、ここの窓のところで話しているのを見たので…」
そんな残念そうに言われても…。
「日南君、すごいよね」
違う話題に変える。
「はい!
日南先輩が一年生の時、サッカー部に先輩はいなかったんですよね?
それなのに、あんなにプレーが上手いだなんて、素晴らしいと思います!
教え方も上手いし優しいし、プレーも本当上手だし…。って…すみません。
話しすぎました。もう朝練に行きますね」
「いいのよ。またいつでも話に来てね。行ってらっしゃい」
西野君は礼儀正しくあたしにお辞儀して出て行った。
かちゃりと音を立てて、美術室はまた校舎から切り離された。
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それにしても…西野君、本当に日南君のこと好きなんだな、って思った。
目がきらきら輝いていて、聞いてるこっちも楽しかった。
日南君もすごいな…。
先輩がいないけど、廃部寸前だったサッカー部を立ち直らせて
後輩にあんなに好かれて…。試合に出るまでになるなんて。
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でも、あたしは知ってるんだよ、日南君が頑張っていたことを。
美術室からいつも見てた。
放課後はみんなが帰るまでは絶対に帰らなくて、
ボールも毎日きちんと磨いて帰っていた。
雨じゃなかったら、放課後練習がなくても走っていた。
汗を流して、息を切らせて、毎日毎日。
それだけ日南君を想っていた。
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「この気持ち、日南君に伝わればいいのに」
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後にこの言葉は現実となる。