鬱々とした気持ちを抱えながら、靴箱に向かう。
大粒の雨が地面を叩きつけていた。
「そういえば、傘持ってきてないなぁ…」
「入る?」
…日南君。
.
.
「あ。約束忘れてた。ごめんなさい」
「今日は北条謝ってばっかだな。北条らしくないぞ」
「そうだね。ごめん。…あ、また謝っちゃった」
くすっと日南君が笑った。つられてあたしも笑う。
「いつもの北条に戻ったね。そっちの方が北条らしいや」
「ありがと」
やっぱり日南君が好き。井上君じゃない…。
.
.
相傘をして駅まで送ってもらう。
肩が触れるたびに心臓が飛び跳ねる。破裂しそうになる。
駅に着くまでに心臓が持つか不安だった。
.
.
.
.
無事に駅に到着し、心臓は破裂しないで済んだ。
だけど、二人の距離も同時に離れて少し体が冷えた気がした。
「相傘、ありがと」
「どういたしまして」
無人と言ってもいいくらい人のいないプラットホームで電車を待つ。
沈黙が広がる。でも今はその沈黙が嬉しかった
大粒の雨が地面を叩きつけていた。
「そういえば、傘持ってきてないなぁ…」
「入る?」
…日南君。
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「あ。約束忘れてた。ごめんなさい」
「今日は北条謝ってばっかだな。北条らしくないぞ」
「そうだね。ごめん。…あ、また謝っちゃった」
くすっと日南君が笑った。つられてあたしも笑う。
「いつもの北条に戻ったね。そっちの方が北条らしいや」
「ありがと」
やっぱり日南君が好き。井上君じゃない…。
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相傘をして駅まで送ってもらう。
肩が触れるたびに心臓が飛び跳ねる。破裂しそうになる。
駅に着くまでに心臓が持つか不安だった。
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無事に駅に到着し、心臓は破裂しないで済んだ。
だけど、二人の距離も同時に離れて少し体が冷えた気がした。
「相傘、ありがと」
「どういたしまして」
無人と言ってもいいくらい人のいないプラットホームで電車を待つ。
沈黙が広がる。でも今はその沈黙が嬉しかった
