「みんなは、美雨しか見てなくて、私のことは全然見てくれなかった。


だけど、涼介だけは私のことを見てくれた。

初めてだったの。あんなに人を好きになったのは。


でも。

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…でも、涼介はあなたのことが好きだった!」


「…涼介は、あたしと別れて美由紀と付き合ったじゃない」

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「まだ分からないの? 馬鹿ね。

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その別れる時にメールを送った張本人は、この私なのよ。

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涼介じゃ、ない。

それに、私たちは実質、付き合っていなかった。

一緒に歩いているところ、見たことないでしょ? 全部私の嘘よ」


何故美由紀がメールを送ったの…?


美由紀はあたしの意思を汲み取ったかのようにこう言った。

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「嫉妬したから」


「え?」


「子供だったの、あの頃は。


涼介の心は美雨でいっぱいだった。

私の入り込む余地なんて欠片もなかった」


「でもどうして、あんな夜遅くに…」

「私が呼び出したの。相談があるの、って言って。

…告白した。付き合ってくれないかな、って」


「…そんな、ひどいよ」



友達だと、信じていたのに。


疑ったことなんて、一度もなかった。

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信じて、疑わなかった。