よく分からない心を抱えたまま、あたしは部屋に帰りついた。


青いソファにぐったりと身を預ける。

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突然かちゃりとドアが開き、美由紀が姿を現した。

「あ、美由紀、帰ってたんだね」
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「私があのメールを送ったの」

何…いきなり…。…あのメール…?


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「―もう付き合えない―」


「っ! …どうして…」


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「私はね、美雨。…あなたが嫌いだったの」


嘘…。


「美雨は自分では気付いていないと思うけど、
一緒に歩いていて恥ずかしかったのは私。

いつも美雨と比べられて、蔑まれてきた」


あたしがいつも思っていたこと…
そっくりそのまま美由紀が思っていたなんて。


「でも美由紀! あたしはそんなに」

「かわいくない。美由紀のほうがかわいいよ、でしょ?
それは本当かどうかは分からない。

でも、みんなはあなたの輝く何かに惹かれていたの」


輝く、何か…?


「私に近づく人たちはみんな美雨目当てだった。
男子だけじゃなくて、女子まで。

私はただの連絡役だったのよ…。


知らなかったでしょ?

彼らはみんな、私の本当の友達じゃなかった」


何も、言えなかった…。


美由紀は友達が多いなぁ、としか思ったことがなかった