「祐樹はきっとあなたのことが大好きだったんですね」

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「あたしも…大好きでした」


寂しくなって外を見ると、もう薄暗くなっていた。


このお店の照明も薄暗いから、気付かなかった。


「あたし、もう帰りますね。

お茶までご馳走していただいて…ありがとうございました」


ほんのり苦い紅茶の入っていたティーカップをかちゃりと置き、
あたしは席を立った。


「こちらこそ。数少ない兄の思い出話が聞けてよかったです」

「では。…また、来ます」


「はい。あ…」

何かを思い出したように弟さんはお店に戻った。

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そしてあたしに何かを手渡した。