あたしは無事講座を終え、帰途についていた。

ふらふらと足があの場所へ向かう。


「焼きとうもろこし、いりませんか~?」

「ねぇお母さん、金魚すくいがしたい!」

「大当たり~!」


色々な楽しそうな声があたしの周りを飛び交う。


なんで来たんだろ…馬鹿みたい。

余計虚しくなるだけじゃん…。


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メールが送られてきたからって。

目が合ったからって。

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向こうは何も思ってないんだよ…?

ただのあたしの思い過ごし。


都合よく考えてるだけ。


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ぎゅっと携帯を握り締める。

メールを何度消そうとしたか。


でも、
いつも『本当に削除しますか?』と問われて『NO』を選択してしまう。


あたしの弱さ。

叶わないと分かっているのに、未練がましい。


削除したらもう一生繋がりはなくなるだろうな、って思ってしまう。


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落ち着かせるために息をはく。

だけど、耐え切れなくなって嗚咽が漏れる。


泣いてばっかり…。


ぽたりとあたしの頬に雫が落ちた。