敵が言った。


「何者だ」


「名乗るほどの者ではありませんよ。

ちょっと、この場は引いてもらえませんか。

こんな往来で戦うのは人の迷惑ですし」


「うるさい。

そいつを渡せ」


敵は堕天使でまた手代木に襲いかかってきた。


男は九尾に合図した。


九尾は堕天使に食いついた。


堕天使が血を吹き出して倒れた。


敵も腹を押さえてうづくまった。


敵は自分の憑き神を呼び戻すと、その背中に飛び乗って、逃げ出した。