カラス君と黒猫さん





ガターン!!!


「うわっ、」
「かーらーすくんっ!!」



風呂場から盛大な物音がして、黒猫さんの風呂上りを知らせる。


急いで向かうと、床にへたり込んでいる黒猫さん。



(良かった、服は着てた)


「大丈夫?黒猫さん・・・・・・・・・」

「うん。暑い・・・・・・・・・・」

「あぁ、うん。今度は暑いんだ」


立とうとする黒猫さんを止めて、抱えた。

本当、熱い。



またベッドに寝かせて、取り合えず熱を測ろうと試みた。




「かーらーすー」

「ちょ、黒猫さん、」

「何でこんなおっきいの?」

「体温計、」

「からすー」



寝かせては起き、寝かせては立ち上がり・・・・。これではろくに検温もできない。



「黒猫さん?熱を測りたいんだけど」

「うんっ。」

「“うん”でなく。」



・・・・・・・・・・手強かった。



ちっちゃい黒猫さんは手強すぎた。