驚愕。
駅から離れて、黒猫さんの後をつけて早15分。
黒猫さんは裏路地に入って、器用に狭い道を通りながら、人気の少ない区に入った。
黒猫さんを見失わないようにと大変だったのに、今度は俺の脳味噌のフル回転を早める事に大変だった。
だって、黒猫さんが入っていった店は俗に言う“水商売”の店な訳で。
上質そうな、人が少ないこんな所にひっそりと聳え立つ建物は厚いレンガ造りで、看板には明らかにそう言う仕事の文字が。
(黒猫さんがキャバ嬢?・・・・・・あの傷だらけの顔で)
思考がついて行かず、取り合えずその建物の裏側に凭れて考えに耽る事にした。
まさか、これから俺史上最も最悪な事になるとは。

