「・・・・・・・・・琴羽からよく君の事を聞いてるよ、カラス君カラス君って」
曖昧に笑うその顔に、悪意は無い。
「いつも琴羽が世話になってるね」
「いえ、全然・・・、むしろこっちの方がお世話になってます」
心臓がいつもの2倍うるさく活動してる。
うっすらと、お兄さんは目を細めた。
「・・・・・・・・・・・・・琴羽と、別れてくれない?」
低い声が、俺の鼓膜でずっと響いてる。
(・・・・、予想はしてた・・・・・けど、)
心臓がうるさい。
別れろって言われたって別れる気は無いけど、
「何でですか?」
お兄さんの顔を見上げると、平然とした顔だった。
「琴羽は、俺のもの」
そんな平然とした顔でさらりと異常な言葉を発する。
(黒猫さんはお兄さんのもの?)
ちがう、

