「誰?」
携帯画面には登録した文字、“風間雅”と表示されていた。
「・・・・・・・雅。忘れてたね、あの人の事」
ボタンを押し、電話に出る。
「・・・・・・・・・はい」
『カラスか?!てっめー連絡も寄越さず何してんだ!昨日はいきなり電話ブチ切りやがるしよー。黒猫も連絡取れないしよー!』
「黒猫さん?今アイス屋に行ったよ。寒がりなのに」
『ハ?!今居るのか黒猫!!何だよアイツ、仕事にも出ないで』
「今日は休みじゃなかったの?」
『今日は黒猫・・・・入ってねぇけど、昨日のが気がかりで』
勝手にアイス屋に行ってしまった黒猫さんを追い掛け、すれ違う人と肩がぶつかってしまう。電話片手で会釈をしながら、黒猫さんに電話を渡した。
「みやび。怒ってるぽいよ」
「うっわー、出たくない」
「俺もだよ」
いつの間に買ったのか、丸い形のアイスが2つ重なっているアイスを持っている黒猫さん。
渋々携帯を手に取る。
「もしもし・・・・・・・・・」
近くのベンチに腰掛けながら、俺は黒猫さんと雅の通話が終わるのを待った。
黒猫さん、器用だな。
アイス食べながら電話してるよ。
俺は適当に周りでも眺めながら待ち続けていた時。

