「…───し……もしもーし、俺だけどー」


………ん…?

朦朧とした意識の中、男の声が聞こえた。


「………っあ…」


そうだ…電話ボックスで寝ちゃったんだ。

今何時だろ……


そう思って周りを見渡して…電話ボックスにいるのが、あたしだけでないことに気付いた。


「…んー?………無理。今いそがしーもん」


あたしが起きたことには気付いてないみたい……

…寝たフリしとこっかな。


色々考えてるうちに電話を切った男は、何もなかったように受話器を置いた。