─カタン

雨音に消えるくらいの音量でドアが音をたてる。


中に入った瞬間、何故か知らないけど安心して。

ひとり分しかない狭いスペースが安心するのかもしれない。


ガラス貼りの箱の中から外を見る。

雨はまだ降り続いていて、歩く人は見つからない。


ここで良かったかも。

濡れないし、人目につかないし、泣いても外に音は漏れない。


「………っ、」


涙が流れるたびに、頭が鈍く痛む。

思ったよりひどい熱かな………


はやく雨止まないかなぁ……



ガラス越しに外を見ながら、いつのまにか眠りに落ちていた。