【短編】通り雨




そんな言葉を想像していたあたしは、次の隼人の言葉に耳を疑った。


「いい女拾ったからさ姉ちゃん今日帰ってこないでね」

『隼人が女連れ込むなんて珍しー。あ、そのへんに散らばってるネイルとか片付けとかないと疑われるよ』

「あいよ」

『じゃ。仕事中だから切るわよ』


ピッと呆気なく切れた電話。

あたしは呆然として隼人を見つめる。


「そのへんのネイルは姉ちゃんの。勝手に触ったら怒られんの」

「……よくわかんないんだけど…、何?同居してるの?」

「うん。何かと便利だから」


……じゃあ、あのメイクブラシも、かわいいマグカップも、全部お姉ちゃんの…?


「めちゃくちゃ気にしてたのに……なんか脱力…」


でも安心して隼人に笑いかけると、ガバッと抱き締められた。