【短編】通り雨




*****


「……ありがと」

「うん……」


何、この空気。

黙ってコーヒーを飲む音だけが規則的に響く。


ていうかいつ帰ればいいの?

服が乾くまで?

………少なくとも今日1日はここにいるってことか。

下着無しで……


ボッと赤くなる頬。

もうっ…どうしたらいいのよー!


「莉緒…ヤバい。俺もう無理っ」

「…え、」


バサッと音をたててあたしを押し倒した隼人を下から見つめる。


「何でそんなかわいいワケ?」

「あたしに聞かれても……っ。ていうかもっとがんばってよ…隼人のこと嫌いになっちゃう…」

「無理…一目惚れだもん」


理由になってない……

でも一目惚れ?
隼人が?