幸福。


わたしは今、この言葉の、真の意味を知っている。

幸せは、待っていてもやって来ない。自分の力で、掴み取るもの。

わたしの人生は、除消に出会って劇的に変わった。

毎日がバラ色。綺麗な花に包まれ、芳醇な香りを吸い込み、色鮮やかな人生を生きる。

自信と活力に満ち溢れている、今のわたし。

大嫌いだった学校も、今は大好き。

大嫌いだった行きの下り坂も、急ぎ足で学校に行けるから大好き。

大嫌いだった帰りの上り坂も、今日これから何をしようか、想いを巡らせる時間になるから大好き。

わたしの学年は、もともと4クラスあったけど。

今は3クラス。

クラス一つ分、消しちゃった。やりすぎたかな?


学校の中だけでなく、街に出ても、明らかに人の数が減っている。

毎日、何十人、何百人と消していく。いつかそのうち、この街にいる人、全部消しちゃうかも。


でも、それでもいいよね。


不必要な人間が多すぎたんだよ。生きている価値のない奴が、のさばり過ぎていたんだよ。

そいつらを消したところで、誰に文句を言われるわけでもない。

むしろ、わたしは世のため人のため、役に立たない神様の代わりに、一生懸命働いているだけ。

感謝されてもいいくらい。

……、

でも。

でも、気になることがある。