「行きたいけど…。…夏帆は?」
「行く行く!あ…でも私、聖剛さんと行くからっ。凛、ちゃーんと先輩誘いなさいよ?」
「え…」
「え、じゃない!…ってか祭までに告白しなさい」
「無理です、すみません」
いつもは強気な私だけど、和弥のこととなると弱気になってしまう。
夏帆はいつも大丈夫って私の背中を押してくれるけど、やっぱ勇気ないよ。
それに和弥には好きな人が―――あの女の人がいるんだもん。
私に一緒に行く人がいなかったら、一緒に行こうって言ってくれたけど……和弥には一緒に行く人いるんだから、私なんかが一緒に行っちゃいけないんだよ。
「じゃあ、まだ早いけど、今度浴衣買いに行こうよ!」
「浴衣?」
「そ。浴衣買っちゃえば、もう祭行くしかないじゃん?んで、先輩を誘うの!」
「ああ……うん」