和弥は三年生になった。 入学式で、代表として挨拶をした和弥。 あの時の熱狂は本当にすごかった、うん。 その成果、去年以上に和弥の人気は上がった。 ただでさえ手の届かない存在だった和弥は、ますます遠い存在になった気がする。 「相変わらず斎藤先輩の人気はすごいねー…って私も何気にファンなんだけど」 ふふっと笑って、そう言ったのは水瀬さん。 水瀬さん、和弥ファンなんだ。 一人相槌をうっていると、強い視線を感じた。 ―――――夏帆だ。