……うん。
何て言うの?
さっきまでのふわふわした感覚から、一気に現実に引き戻された気分。
「凛?」
「へっ!?あ!は、はい。気が済みました。ありがとうございました」
「…ふはっ、何だよそれ」
「あっ…あ、ありがと。わざわざ来てくれて…なんか、ごめん……」
「ばーか」
和弥はいつものように私の頭を撫でながら、優しく微笑んだ。
先に家に入るよう促され、私が玄関に足を踏み入れたのを確認した和弥は、『じゃあな』と口パクで合図をした。
急いで自分の部屋に戻って、窓から外を覗いてみる―――けど、そこにはもう、和弥の姿はなかった。


