久しぶりに感じる和弥の温もりに、私の心臓も、一気に脈打つペースが早くなる。
こんな暗がりでも分かるくらい、きっと私の顔は真っ赤になっていると思う。
「凛」
「は、はい」
「クス…凛ってさ、こういう時って急に敬語になるよな」
「………」
一人だけ余裕がないのが悔しくて、和弥の胸に軽く頭突きをしてやった。
「あーもう…いちいち可愛すぎ」
そう言って、抱き締める力を一段と感じながら、私は目を閉じた。
何だろう。誰もいないとは言え、こんな所で抱き締められてるのに。
―――ものすごく、落ち着く。
「これで、気は済んだ?」
そっと温もりが離れて、私の顔を覗き込む。


