深く頭を下げた菫さん。
なんか、なんでか分かんないけど泣きそうになった。
「あの、菫さん…頭、上げてください」
「………」
菫さんが頭を上げたのは、数十秒経ってからだった。
それからも沈黙は続いた。
何を話していいのか、何を話せばいいのか、分からなかった。
別に菫さんを責めるつもりもないし、かといって何も感じないわけでもない。
菫さんの存在によって、私の心がどれだけ揺れ動いたか。
『許さない』――とかじゃなくて、菫さんと真正面から向き合うことが、今の私には出来ないんだ。
「じゃあ、私はこれで…」


