私の目の前にいる聖剛さんの腕には、しっかりと女の人の腕が絡まっている。 なんか、うん。衝撃的だ。 聖剛さんにチャラいところがあるのは知ってるけど。 けど、今目の前にいるのは、私が知ってる聖剛さんじゃない。 「凛ちゃん。はい、コーラ」 差し出されたコップを、私は無言で受け取った。 「…聖剛さん」 「ん?」 私は遊びに来たんじゃない。 「私、歌うつもりなんてありません」 「えー、それは残念」 「私、聖剛さんと話をしたくて来たんです」 「……へぇ、そう」