「…じゃ、俺行くな」 あ、あれ? ぱちっと目を開けると、和弥は立ち上がって、すでに歩き出していて。 和弥のシャツを掴んでいた手が、そのままの形で虚しく残っていた。 「……あれ?」 なぜかおでこにキスをおとされた。 てっきり唇にキスされると思っていたのに。 「……うゎっ。超恥ずかし」 私は両手で顔を覆って、うずくまった。 勘違いしてたことに反省して、私もそそくさと教室へと足を進めた。