「夏帆と聖剛さん、何かあったんかな?」 「…分かんねぇけど。まあ、あったんだろうな」 和弥はため息をつくと、遠い目でどこかを見つめた。 なんか、こんな風に和弥が悩んでる姿、初めて見る。 和弥にとっての聖剛さんは、私にとっての夏帆だ。 私だって夏帆がそんな状況になったら、悩むよな……、って私は人のこと言えないか。あの荒れていた時期、夏帆にさんざん心配かけたし。 「――和弥。私、夏帆に話聞いてみる」 「え?」 「夏帆のこと、放っとけない」 それに、夏帆には笑っていてほしいから。