私も腰を下ろすと、なぜか手紙を奪われてしまった。
これもいつものこと。
「放課後、行かなくていいから」
「分かった。……でもさ、和弥との関係バラしてから手紙もらうようになったってことは、みんな和弥と仲良くなりたいんじゃない?」
「……まぁ、そういうことでいいよ」
「……なんか、また言いくるめられた気がする」
購買のパンを食べながら、和弥はまた不機嫌になったような気がした。
そんな和弥の横顔を見て、私はこっそりと笑った。
まさか、和弥とこんな風に過ごせる日が来るなんて、想像もつかなかったから。
だからこの何気ない会話も、私にとってはすごく嬉しいことなんだ。


