「ありがとう、送ってくれて」 「クス…当たり前だろ?」 「……そういうもん?」 「そういうもんなの」 「…そっか」 また優しく頭を撫でると、和弥は「またな」と元来た道を戻って行く。 和弥の背中が小さくなるまで、私は玄関先に立ち尽くした。 自分の部屋へ戻って、部屋着に着替えると、私の携帯が震えだす。 和弥からの着信で、私は首を傾げて電話に出た。 「もしもし?何か忘れ物?」 『ちげーよ。…明日さ、夏帆ちゃんと買いに行くんだろ?』 「ん?……ああ、水着のことか」