好きになるって、不思議だ。
あんなことされたけど、不思議と和弥に怒りはなくて、ただただ悲しかった。
これが、亜由美が言っていた“惚れた弱味”なのかもしれない。
私は和弥を見て、少しだけ微笑んだ。
「………好き」
「え……」
「私…和弥が好き…」
「っ!」
和弥は目を見開いて、驚きを隠せないといった様子だった。
やたらとうるさい心音に、周りの音がかき消されて、私は和弥を黙って見つめた。
「…ごめん……私が言いたいのは、それだけ」
何も言わない和弥に、涙が出そうになって、私は目を反らした。
言った。
言ってしまった―――。
これ以上は耐えられないと、私は和弥の横を通り抜けようとした―――その時、
「ちょっ…和弥?」
気付くと私は、和弥の腕の中にいた。


