「お母さん…ごめんなさい」 「なんで謝るのよ」 「や、色々と……ありがとう」 「ふふっ、どういたしまして」 昨日の夜、綾さんはお母さんに連絡してたみたい。 ほんと、感謝してる。 私って、本当に優しい人達に囲まれてるな。 この感謝の気持ちを無駄にしたくない。 告白しようって決めた、この気持ちも。 なんだか今日はお返しをしたくて、掃除とか、料理とか、とにかく何でも手伝いをした。 そんな私を見て、「頭打った?」なんてふざけたことを呟いた拓海に、拳をくらわせてやったのは言うまでもない。